保湿用に使われているワセリン、乾燥への効果はどれくらいあるのでしょうか?また、赤ちゃんの肌に使っても問題はないのでしょうか?ワセリンについての色々を調査しました。
ワセリンの原料
まず、「ワセリン」という名前は聞きなれていますが、そもそも成分は何なのでしょうか?
実は、原料には石油がつかわれています。原油を精製する時にでる不純物の中から、ワセリンの原料となる「ペトロラタムゼリー」を高純度に精製し、不純物を限りなく取り除いたものがワセリンなのです。これを精製する純度の違いによって種類が変わります。純度の高さは、サンホワイト>プロペト>白色ワセリン>ヴァセリンとなります。
1番安価で手に入り、かつよく知られている「ヴァセリン」は、ワセリンの中でも少しではありますが不純物が含まれている為、肌が薄くて敏感な方や赤ちゃんは肌に合わない可能性があります。その場合は、不純物がほとんど取り除かれているプロペトやサンホワイトがおすすめですね。
ワセリンの効果
ワセリンは乾燥やアトピーに悩んでいる人が多く使用しています。乾燥肌に使用しているのだから、「保湿効果」があるように思っているママたちは多いのではないでしょうか。でも、実はワセリンの中には特別な保湿成分は含まれていません。にもかかわらず、ワセリンがなぜ乾燥に良いかというと、ワセリンを塗ることでできる油の膜ができるからです。油の膜で肌を覆うことで、体温によって肌から蒸発する水分を逃がさずに、保つ効果があります。
また、この膜にはもうひとつの効果があります。それは「保護」効果です。
乾燥した空気や、アレルゲンとなる物質が肌に触れてしまうと、そこから肌荒れが広がってしまいますよね。ワセリンは、この膜によって外部からの刺激が直接肌に当たることを防いでくれるのです。
ワセリンが石油からできているという話を聞くと、赤ちゃんや肌が敏感な人に使用して大丈夫なのか、不安になる人も多いと思います。しかし、石油は自然界にある天然のミネラルオイルです。さらに、そこから不純物を取り除いているので、名前だけ聞くと不安になりますが、安心してつかうことができますよ。
ワセリンの副作用・注意点
しかし、まったく副作用が無い訳ではありません。人によっては赤くかぶれてしまったり、痒くなってしまうことがあります。
また、水分とともに熱もこもってしまうのか、塗ってから少し経つと肌が赤く火照ってしまう人もいます。
さらに、「油焼け」といって、ワセリンを塗り続けることで肌が黒ずみ、シミになると言われています。ただ、これはワセリンの中に含まれる不純物によるもので、最近は精製技術も発達しているので、あまり心配はいらないそうです。
ワセリンを使う時は、次のことに注意しましょう。
・手の上で温める
ワセリンは使ってみるとわかりますが、かなり固めのクリームになっています。そのまま赤ちゃんに塗ろうとすると、伸びが悪いので力が入ってしまいます。そうなるの、せっかく肌を守る為に塗るものなのに、塗るときに強い刺激が肌に与えられてしまいます。
少しでも伸びを良くするためには、ワセリンを取ってから、手の上でしっかり温めることです。こうすることで、固まっているワセリンが少し溶けるので、伸びやすくなります。
・塗る前に肌に水分を含ませる
ワセリンは肌を保護することしかできないので、乾燥している肌に塗っても、一時的な解決にしかなりません。塗ってる間は何となくしっとりしていても、洗い流すとカサカサしている、、という状態の繰り返しになってしまいます。
また、肌の乾燥は水を飲むことで解決されるものではありません。その為、ワセリンを塗る前にある程度の水分を肌に含ませてから塗ることをおすすめします。そうすることで、肌に含ませた水分がワセリンによって蒸発しにくくなります。
ワセリンは赤ちゃんに塗って大丈夫?
基本的には、病院での診断で、使用に問題無いとのことであれば使っても大丈夫です。
ただ、ワセリンを塗ったことがある人は分かるかと思いますが。かなりべたつきが気になると思います。私も乾燥が気になってワセリンを使ったことがありますが、やはり肌が油で覆われているような独特の感触に慣れませんでした。結局、体に使い続けるのは難しかったので、リップクリームとして使うことにしています。
大人でさえ耐えるのが難しいあの感触を、赤ちゃんや小さいお子さんは、もっと我慢できないと思います。
また、ワセリンは肌を保護する働きがありますが、ベタつくのでホコリなどが肌に付着してしまいます。付着した異物は、洗い流されるまでずっと付着し続けている可能性があります。油の膜で保護されているとはいえ、汚れが付着しやすくなってしまう点も、お子さんに使うには気になってしまいますよね。
ワセリンを塗ればスキンケアは完璧?
ワセリンの安全性や効果、また副作用などについて説明をしましたが、ワセリンだけでスキンケアは可能なのでしょうか?
結論からいうと、ワセリンだけでのスキンケアでは、乾燥肌を根本から解決することはできません。というのも、ワセリンが「油」である以上は、乾燥している肌に水分を補給することができないからです。
乾燥肌とは、名前の通り肌が乾燥している状態です。また、乾燥によるかゆみや炎症が起きているということは、肌の内側まで乾燥が進んでしまっていることがほとんどです。
そんな状態の肌にワセリンを塗ると、どうなるでしょうか。もちろん、一時的には肌がおおわれ、さらに水分が出ていくことは防げると思います。しかし、肌の水分は、水を飲むことで全て補給される訳ではありません。その為、現状維持はできていても、肌に水分を加えることはできないのです。
肌には、本来バリア機能があるため、健康であれば乾燥や外部の刺激から守ることができます。しかし、水分を失うことで、バリア機能をもっている細胞の間に隙間ができ、乾燥や刺激による炎症を起こしてしまいます。
ワセリンを塗ることで、一時的には刺激や乾燥から守ることはできます。しかし、かゆみや炎症が起きる度にワセリンを塗り続けるのは大変ではないでしょうか。
根本的に肌の乾燥を解決する為には、やはりローションなどで肌に水を与えることが大切です。最近ではミルクタイプのベビーローションだけでなく、化粧水タイプのベビーローションもあるので、ワセリンを使ってもなかなか乾燥が改善されない場合は、一度試してみてはいかがでしょうか?
また、ワセリンの塗り方のコツでも説明した通り、ワセリンはテクスチャーが固く、手の上に乗せて温める必要があります。しかし、手の上でワセリンを温めたとしても、決して伸びが良い訳ではありません。
乾燥肌は、ひどくなると皮がポロポロと取れ、さらにひどくなると炎症を起こしてガサガサになっています。アトピーの肌も同じような症状ですよね。そこに、滑りの悪いワセリンをゴシゴシと塗ってしまうと、敏感になっている肌にさらに刺激を加えることになります。ただでさえ刺激に敏感になっている肌にさらに刺激を与えるのは、正しいスキンケアとは言えないのではないでしょうか?
肌にさらっと伸ばして水分を与えられるおすすめのベビーローションをまとめたので、参考にしてみてくださいね♪
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