あせもの原因と症状

汗をかく季節になると、あせも(汗疹)に悩まされる方が多いのではないでしょうか。特に汗をかきやすい赤ちゃんや子供は、大人よりもあせもができやすいと言われています。あせもの原因や症状、治し方、対策方法を写真とともにご紹介します。

1. あせも(汗疹)とは


あせも(汗疹)はその名の通り、汗によってできる発疹を指します。汗を多くかく夏場や高熱が出た時に現れやすい症状です。頭や額、首、背中、おしり、ひじ、ひざなど、汗をかきやすく、乾きにくい部分にできやすい傾向にあります。

 

2. あせもができる原因


汗を大量にかくことが原因で、あせもが発生します。汗をたくさんかくと、皮膚の下にある、汗腺から皮膚の外に汗を排出する管「汗管(かんかん)」が詰まります。すると、汗が皮膚の外に出られなくなるため、皮膚の内側に漏れ出してしまいます。汗が皮膚の内側に漏れ出すと、炎症を起こして赤い湿疹ができたり、かゆくなったり、水ぶくれができたりします。
子供の汗腺の数は大人とほぼ同じであるため、皮膚の表面積が小さい分、汗腺が密集しています。そのため、大人よりも汗をかきやすく、汗管が詰まってあせもができやすいため、しっかり予防・対策する必要があります。

 

3. 症状と治し方

あせもは、赤くてかゆみがある紅色汗疹、白くてかゆみを伴わない水晶様汗疹、皮膚の深い部分にできる深在性汗疹の3種類に分けられます。

水晶様汗疹


●症状
皮膚の浅い部分にある角質層に汗がたまることで、写真のような直径1~2mmの透明で小さな水疱(すいほう)が現れます。特に炎症やかゆみを伴うこともありませんが、汗をそのまま放置して置くと、症状が広がったり、湿疹を併発する可能性があります。

●治し方
水疱は自然に破けた後、皮がはがれ落ちて治るため、特に薬を塗るなどの治療は必要ありません。清潔に保つことで、2,3日で治まります。汗をかいたら、お風呂の時間を待たずにこまめに汗をシャワーで洗い流す、水に濡らしたタオルで汗をきれいに拭く、汗を吸収しやすい綿素材の洋服を着せるなどして、清潔にすることを心がけましょう。

紅色汗疹


●症状
紅色汗疹は赤いブツブツがでる症状で、一番発症しやすい汗疹です。写真のように、赤い1~3mmの湿疹や水疱がたくさんできます。汗管が破れて表皮内に汗が漏れ出て、炎症が起きることで生じます。
強いかゆみや熱感を伴い、汗をかくと患部がピリピリとしみます。かきむしってしまうと急性湿疹やとびひ、深在性汗疹を発症する可能性があります。

●治し方
患部を清潔にして、塗り薬を使用します。炎症がひどい場合は、ステロイドを使うことで、赤みやかゆみが落ち着き、ひっかくことによる症状悪化を防ぐことができます。ただし、ステロイドは長く使い続けると副作用の心配があるので、症状が落ち着いたら子供に合った市販の保湿剤に切替えましょう。
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深在性汗疹

●症状
汗管がつまって、汗が皮膚の深い部分にある真皮に溜まることで生じます。身体の広範囲に発疹ができますが、赤みやかゆみはほとんどありません。あせもが広がると、体温調整機能が低下するため、体内に熱がこもって熱中症を引き起こすことがあります。
熱帯地方や高温環境に長くいて、大量に汗をかき続けると発症しやすいあせもです。

●治し方
高温を避け、涼しい環境で生活して自然に治るのを待ちます。症状が続く場合やひどい場合はヒスタミン剤などを処方されることもあります。

 

4. 予防・対策方法

汗をかきにくい環境をつくる

あせもを予防するには、汗をなるべくかかないことです。エアコンで温度・湿度を調整したり、通気性の良い洋服を着せましょう。シャワーは清潔にするために必要ですが、湯船につかって発汗するのは逆効果なので避けた方が良いでしょう。

汗をかいたらシャワーに入れる

お風呂の時間を待たずに、汗をかいた後はなるべくシャワーで汗をさっと洗い流しましょう。ただし、石鹸で皮脂を落としすぎてしまうと、バリア機能が落ちて症状が悪化してしまうため、石鹸を使うのは一日一回寝る前に入る時だけにしましょう。

かゆみを和らげる

患部をひっかいてしまうことが、あせもの悪化の一番の原因です。保冷剤をハンカチに包んで患部を冷やすと、かゆみが和らぎます。また、かゆみや炎症をやわらけるハーブ「カレンデュラ」入りのオイルや保湿剤を使うのも効果的です。

ベビーパウダーを使う

あせもができやすい箇所にベビーパウダーをはたくと、汗を吸い取ってさらさらの状態を保ってくれるので、あせも予防になります。あせも予防には効果的なベビーパウダーですが、あせもができた後には使ってはいけません。患部に使うと、汗を吸ったベビーパウダーが汗腺をふさいで、さらに悪化させてしまうことになります。あせもができてしまった後は、保湿剤やお薬で治療しましょう。

肌を清潔にした後は保湿する

夏場は汗をかきやすいので、スキンケアを怠りがちですが、肌の健康を保つためには、夏でも保湿は必要です。汗を拭いたり、シャワーに入れたあとは、肌の油分が失われてバリア機能が低下しているので、こまめに保湿して失われた油分を補いましょう。毎日スキンケアをすることは、その後のアレルギー発症を抑える効果もあります。ワセリンやベビーローションなど、子供に合った保湿剤を使いましょう。
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5. まとめ

赤ちゃんや子供はあせもができやすく、かゆみを我慢できずにひっかいてしまうので、長引いたり悪化させてしまいがちです。たかがあせもと放置をせず、あせもができたら、早めの対策で悪化を防いで、気持ちの良い夏を過ごしましょう!

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