赤ちゃんのアトピー性皮膚炎の診断方法

赤ちゃんの顔や体に湿疹が出ると、アトピー性皮膚炎を心配するママも多いのではないでしょうか。
特に乳児期は湿疹が出やすいため、単なる乳児湿疹であればいいものの、アトピー性皮膚炎ではないかと不安になってしまいがちです。
この記事では多くの方が不安を抱えている、アトピー性皮膚炎の診断方法をご紹介します。

1. アトピー性皮膚炎の診断基準

アトピーの診断をする医師
赤ちゃんの場合は、医師でも乳児湿疹かアトピー性皮膚炎かの判断がつきにくくなっています。

以下の3項目全てに当てはまる場合、症状の軽重を問わずアトピー性皮膚炎と診断できると皮膚科医向けのガイドラインに記載されます。

1.瘙痒
2.特徴的皮疹と分布
①皮疹は湿疹病変
◦急性病変:紅斑,湿潤性紅斑,丘疹,漿液性丘疹,鱗屑,痂皮
◦慢性病変:浸潤性紅斑・苔癬化病変,痒疹,鱗屑,痂皮
②分布
◦左右対側性
好発部位:前額,眼囲,口囲・口唇,耳介周囲,頸部,四肢関節部,体幹
◦参考となる年齢による特徴
乳児期:頭,顔にはじまりしばしば体幹,四肢に下降.
幼小児期:頸部,四肢関節部の病変.
思春期・成人期:上半身(頭,頸,胸,背)に皮疹が強い傾向.
3.慢性・反復性経過(しばしば新旧の皮疹が混在する)
:乳児では 2 カ月以上,その他では 6 カ月以上を慢性とする.
日本皮膚科学会アトピー性皮膚炎診療ガイドライン作成委員会,「アトピー性皮膚炎診療ガイドライン2016年版」

つまり、基本的にはかゆみを伴う湿疹が左右偏りなく現れ、症状が続く場合(赤ちゃんは2ヶ月以上、子供は半年以上)にアトピー性皮膚炎と診断されます。

上記に該当しない場合は、急性もしくは慢性の湿疹と診断されるようです。

2. アレルギー検査

アレルギーの血液検査
専門医でも判断がつかない場合は、アレルギー検査が行われることもあります。

●血液検査

赤ちゃんの血液を4ml程度採取しアトピー素因の強さやアレルゲンを調べます。
ダニや卵、スギなどのアレルゲンに対してアレルギーがあるかを出すことができます。
ただし、生後まもない時期だと正しい結果が出ない可能性があるため、生後5~6ヶ月以降に受けるのが望ましいと言われています。

●スクラッチテスト

赤ちゃんの皮膚にアレルゲン液を落とし、その上から針で皮膚を軽く刺してアレルゲン液を皮膚に浸透させ反応を見るテスト。生後4ヶ月未満でも可能で赤ちゃんの負担も少なくなっています。

●パッチテスト

アレルゲン液を含ませた専用の絆創膏を腕や背中に貼りつけ、48時間後の反応を見る検査です。金属アレルギーやおむつかぶれなどの接触性皮膚炎が最も見つけやすい検査方法です。

3. 診断・検査の後の治療方法

アトピーの治療
診断や検査の結果、アトピー性皮膚炎だと判断された場合は、治療が始まります。
アトピーの治療には、「薬物療法(飲み薬やステロイドなどの塗り薬)」「スキンケア(保湿剤を塗る)」「環境の改善(ダニなどのアレルゲンを除去する)」の3点をバランスよく行うことが大切です。

 
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