かゆい乾燥肌の原因とすぐできる対策方法

かゆくてつらい乾燥肌。特に赤ちゃんや子供はかゆみを我慢できないので、引っ掻いてしまいがちです。しかし、そのまま引っ掻いてしまうと、肌が傷ついてさらにぶつぶつとした湿疹へと悪化し、かゆみもますますひどくなってしまいます。最悪の場合、炎症からアレルゲンが侵入して、アトピー性皮膚炎を発症することも。

そこで、今回は乾燥によるかゆみの原因と、症状を治すためにすぐできる対策方法をご紹介します。

1. そもそも乾燥すると、なんで炎症やかゆみが出るの?


健康な肌は、皮膚の下にある角質層がきれいなレンガ状に積み重ねられています。バリア機能が正常に働いているため、肌の水分量が保たれている状態です。

しかし、乾燥した肌はレンガ状に積み重ねられた角質層が乱れています。角質層がスカスカになると、すき間から水分が蒸発しやすく、外部からの刺激をダイレクトに受けるため、炎症やかゆみが生じやすくなります。そのまま掻いてしまうと、かゆみの原因となるヒスタミンを放出する細胞が刺激されてしまうため、さらにかゆみが増していきます。

2. 実はクリームやオイルだけの保湿では不十分


ベビーローションやベビーオイルなどの油分の多い製品は、水分があるお肌に塗ることで、お肌にフタをして水分の蒸発を防ぐことができます。もちろん軽い乾燥であれば、こうした油分が多く含まれるスキンケア製品で対策するだけで十分です。ただし、乾燥がひどくて赤くなったり、かゆくて引っ掻いてしまったり、乳児湿疹ができているような赤ちゃんには、それだけでは不十分です。

3. 保湿より重要なのは、「保水」

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乾燥が悪化してかゆみがあったり、湿疹・炎症・引っかき傷がある状態の肌は、そもそもの肌水分量が不足しています。水分が足りない肌に、ベビーローションやベビーオイルなどの油分の多いアイテムでフタをしても、表面は潤ったように見えますが、肌の奥は乾燥したまま。例えるなら、湿った土にシートを被せれば乾燥を防ぐことができますが、乾燥した砂漠にシートを被せても、シートの下は乾いた状態です。

そこで、大切なのが「保水」。保水とは、水分量の多い化粧水系のアイテムを使うことで、肌の奥の角質層まで水分をしっかり届けること。油分が多く含まれるスキンケアより、肌の奥まで水分が浸透しやすいので、肌の水分不足を補うことができます。乾燥のひどい赤ちゃんには、大人と同じように保湿する前の「保水」が必要です。

4. 「保水」でかゆみを緩和


乾燥肌・敏感肌は、水分の多い健康な肌に比べ、汗や石鹸などの刺激に対して過敏に反応しやすくなっています。皮膚のバリア機能が低下して、かゆみを生じやすい状態です。


乾燥肌はなぜちょっとした刺激に対して過敏に反応してしまうか、砂と絵の具を使って実験してみました。


一つのビーカーには乾燥した砂をそのまま入れ、もう片方にはまんべんなく水で濡らした砂を入れました。


そこに、刺激物質に見立てた、赤い絵の具を上から注ぎます。


すると、乾燥した砂は簡単に奥まで赤い絵の具まで届いてしまいました。これが乾燥して角質層が乱れた肌だった場合、皮膚の奥まで簡単に刺激を受けてしまいます。
一方、水で濡らした砂は、赤い絵の具が表面にとどまっているため、奥の方までは侵入していません。皮膚も同様に、しっかり肌の水分量を高めておくと、刺激の影響を受けにくいため、かゆみが生じにくくなります。

正しいスキンケアをすることは、乾燥肌やそれに伴うかゆみを治すためだけでなく、アレルギー性皮膚炎の発症を抑えるためにも有効です。国立成育医療研究センターの発表では、保湿することで、アレルギー性皮膚炎の発症が3割以上低下することがわかっています。

5. 「保水」ケアのポイント


塗る量が足りなかったり、塗り方が間違っていると、きちんと肌に水分が補給されません。正しい保水ケアのポイントをご紹介します。

まず、ティッシュをのせるとペタっと張り付く程度を目安にたっぷり塗りましょう。乳液やクリームを使った保湿は1度塗りで十分ですが、乾燥のひどい箇所には化粧水を2、3度塗り重ねることでたっぷり水分を与えましょう。

また、塗る際は手でべたべたとすり込ませずに、手や指の腹をやさしく押し当てて、じっくりとしみ込ませるイメージでつけましょう。顔だけではなく、首や背中、手足など乾燥している箇所をすべて保水しましょう。

塗るタイミングは朝のお着替えの時と夜の沐浴後の2回。乾燥する冬場は、お出かけする前後もこまめに塗ると良いでしょう。

6. 赤ちゃんにも使える保水スキンケア5選


赤ちゃん用のスキンケアアイテムは、油分の多い保湿アイテムが多いので、肌に水分を与える保水アイテムはほとんどありません。大人用で、赤ちゃんにも使える保水スキンケアを中心にご紹介します。

1)メルシーケア カレンデュラウォーター



湿疹やアトピーがある赤ちゃん用のスキンケアです。敏感肌の大人からも口コミでも「かゆみが緩和された」と評判で、皮膚の修復・保護作用のあるカレンデュラが配合された無添加のローションです。メルシーケアを塗った臨床試験では、参加者全員の肌水分量がアップし、かゆみが軽減されたという結果が出ています。

2)Pululu ローション


飲める温泉「豊泉水」をベースに作られた全身保水用ローションです。刺激の少ない植物性原料を中心に、天然保湿因子となる各種アミノ酸や、トウモロコシエキス・ゲンチアナエキスを配合。刺激の少ない成分でつくられているので、赤ちゃんにも安心してお使いいただけます。

3)エトヴォス ベビーローション



肌にうるおいを与えるセラミド1・2・3・6Ⅱと天然セラミドに含まれる保湿成分フィトスフィンゴシンがバランスよく配合されているため、細胞間脂質と同じラメラ構造を実現。肌と同じ構造なので、肌なじみがよく、吸い込まれるように角層のすみずみまで浸透します。

4)アベンヌウォーター



南フランスで大地のミネラルをたっぷり含みながら50年以上の時間をかけて、地上に湧き出るアベンヌ温泉水を100%ボトリングした化粧水。肌をやわらげ、みずみずしくなめらかにし、敏感な肌をやさしく落ちつかせます。無添加なので、赤ちゃんから敏感肌、乾燥肌、オイリー肌の方まで使える人気の化粧水です。

5)無印良品 オーガニック保湿化粧液



大人に人気のこちらの化粧水は、赤ちゃんにも優しい弱酸性です。岩手県釜石の天然水と8種類のオーガニック植物エキスとオーガニックのアロエベラ液汁を天然うるおい成分として配合されています。ほのかにオーガニック特有のハーブの香りで、リラックス効果もあります。

大人と同じように化粧水をつけるのは大変ですが、このひと手間で乾燥やかゆみが治ったとSNSでも話題になっています。保湿だけではなく、保水を続けてみることで、かゆみが治まれば幸いです。

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