おむつかぶれの原因と対策

おむつかぶれの赤ちゃん
おむつかぶれを一度も経験したことがない赤ちゃんはほとんどいません。なかなか治らないおむつかぶれに、頭をかかえているママも多いのではないでしょうか。そこで、今回はおむつかぶれの原因と対策をご紹介します。

1. おむつかぶれの原因

おむつかぶれで泣く赤ちゃん

尿や便による刺激

おしっこやうんちをすると、おむつの中が蒸れて皮膚がふやけてしまいます。そこに排泄物から発生する、アンモニアや酵素によって赤ちゃんの弱い皮膚を刺激することが一番の原因です。特に下痢は刺激が強いので、下痢を放置してしまうと、おむつかぶれを引き起こしやすくなります。

また、離乳食がはじまった後は、排泄物の質や量が大きく変化して、さらに菌か繁殖しやすくなります。栄養豊富で消化しきれていない食べ物も含むうんちがあり、湿気が多く、あたたかいおむつの中は、菌が育ちやすい絶好の環境です。こまめにおむつを替えて、菌が育ちやすい環境をつくらないようにしましょう。

赤ちゃんは体温が高く、汗っかきなので、おむつの中が汗でむれてしまいます。特に夏は一番蒸れやすいので、おむつかぶれが起きやすい時期です。

バリア機能の低下

一日に何度もおしりをふくため、おしりへの摩擦やおしりふきの成分が刺激となってバリア機能が低下します。また、刺激の少ない座浴やシャワーでも、皮脂が落ちてしまうため、おむつかぶれを起こしやすくなります。おむつ替えや入浴後は、日頃からこまめにスキンケアすることが大切です。

 

2. おむつかぶれの対策(おしりの拭き方編)


紙おむつでも、布おむつでも、汚れたらすぐに綺麗にして、清潔な状態を保つことがおむつかぶれに一番効果的な予防・対策です。手間はかかりますが、一番効果があるものから順にご紹介します。

座浴・シャワーで洗い流す

おむつかぶれがひどい時や下痢の時は、座浴やシャワーで洗い流すようにしましょう。お湯であれば、おしりふきのように摩擦でおしりを傷つけることなく、汚れをきれいに落とすことができます。毎回洗い流すのは大変ですが、おむつかぶれへの効果はかなり高い対策方法です。

<座浴・シャワーの方法>
1.ティッシュやコットンをぬるま湯で濡らして、軽く押さえるようにして汚れを吸い取る。

2.洗面器のぬるま湯におしりを浸すか、シャワーで洗い流す。手でなでるようにやさしく洗うのがポイントです。
※お湯の温度が高いと、皮脂をたくさん落としてしまうので、いつもより少しぬるめのお湯にしましょう。
※石鹸は1日1回入浴時に使うだけで十分なので、おむつ交換時はお湯だけでOKです。

3.洗った後はこすらずに、やわらかい綿のタオルでそっと押し当てて水分を吸い取りましょう。しばらく空気にさらして完全に乾かしてから、おむつを当てましょう。

霧吹きで洗い流す

外出時やお風呂に入れるのが面倒な時は、100円ショップなどで売っている霧吹きと、水筒に入れたお湯を持っていって外でもお湯で洗い流せるようにしましょう。

<霧吹きで洗い流す方法>
1. 汚れたおむつを下にした状態で、汚れに目がけて霧吹きでぬるま湯をかけましょう。

2. やわらかいガーゼやコットンで汚れ・水気をとります。

3. 1~2を数回繰り返してから、保湿剤を塗って乾かし、新しいおむつをつけましょう。

自家製のおしりふきで拭く

洗い流すのが面倒な場合・そこまで症状がひどくない場合は、汚れをやさしく拭き取りましょう。ひと手間かかりますが、ぬるま湯やベビーオイルに浸したコットンやガーゼ、キッチンペーパーを使いましょう。水分・油分が多いので、肌への刺激が少なく、汚れも普通のおしりふきより落ちやすいです。

また、拭き取る際にごしごしこするのはNG。ガーゼをそっと当てて水分・油分で汚れをふやかしてから拭き取ると、こびりついた汚れもするっと落ちます。

市販のおしりふきで拭く

おむつかぶれの状態が少し落ち着いてきた場合は、楽な市販のおしりふきを使いましょう。市販のおしりふきを選ぶ際は、成分表を見てアルコールや防腐剤などの化学物質が入ってないものをなるべく選ぶようにしましょう。

3. おむつかぶれの対策(おしりを拭いた後編)


おしりを拭いた後もおむつかぶれを改善するポイントがあるので、ご紹介します。

しっかり乾かす

おむつ替えの後は、うちわやドライヤーでしっかり乾かしましょう。ドライヤーは便利ですが、肌が乾燥しすぎることもあるので弱風で風が一か所に集中しないように動かしながら乾かしましょう。

空気にさらす

おむつ替えをした後は、すぐにおむつを付けずに、外気にさらすようにしましょう。おむつをずっとつけていると、おむつの中の湿気で肌がふやけて、皮膚のバリア機能が低下した状態になります。特に夏場はおむつの中が蒸れやすいので、あせもを予防するためにも、なるべくおむつをしていない時間をつくってあげると良いでしょう。

入浴後・おむつ替え後に保湿

おしりをきれいにした後は、皮脂が失われているため、バリア機能が低下しています。そのため、保湿剤を使って皮脂を補うことが大切です。また、保湿剤でスキンケアすることで、尿や便、おむつなどの刺激から、皮膚をバリアすることができます。

軟便・下痢の改善

いくらこまめにおむつ替えやスキンケアを行っていても、下痢が頻繁に出ているとなかなか治りません。下痢が4,5日続く場合は、小児科に行って見てもらいましょう。消化管の病気や母乳や離乳食でアレルギーを起こしていないかなど、アレルギー検査が行われる場合もあります。

病院に行く

病院行く目安としては、炎症かぶれがひどく、皮がむけている、ただれている、赤い発疹・斑点がある、水泡があるような場合は病院に行ってみてもらいましょう。症状に合わせて外用薬が出されます。

 

4. おむつかぶれの保湿剤と薬

おむつかぶれの薬
おむつかぶれの症状に合わせて、保湿剤やお薬を使いましょう。

おむつかぶれのでき始め・予防したい場合

おむつかぶれ対策として、日頃からおむつ替えの後にスキンケアをしましょう。市販の保湿剤としては、白色ワセリンやベビーワセリン、馬油、桃の葉ローションなどがおむつかぶれ対策としては有名所ですが、固いと皮膚をこするので、摩擦で逆に傷つけてしまう原因になります。なるべく温めてやわらかくしてから使いましょう。

また、ベビーパウダーは予防としては良いものの、おむつかぶれをおこした後は傷ついた毛穴を塞いで、症状が悪化する原因にもなります。おむつかぶれが起きた後は、ベビーパウダーは使わず、しばらく外気にさらしておしりを完全に乾かすように心がけましょう。

赤くなっている場合

症状が軽い場合や病院に行くことが難しい場合は、市販薬を使いましょう。人気のものとしては、ポリベビーやユースキンのあせもジェル。市販薬も固いものが多いので、塗る際は皮膚をこすって傷つかないように、なるべくやさしく肌にのせましょう。

皮膚がむけている・ただれている場合

おむつかぶれで病院に行くと、症状に合わせて非ステロイド・ステロイド外用薬が処方されます。非ステロイド外用薬はプロペト、アズノール軟膏、亜鉛華単軟膏などで、症状がひどい時はステロイドが必要な場合もあります。炎症がひどい時は、キンダベート軟膏やロコイド軟膏などの弱めのステロイド外用薬を一時的に患部に塗って炎症を抑える必要があることも。それでも良くならない時は、リンデロンなどさらに強いステロイドを処方される場合もあります。

一時的に炎症を抑えるために必要な場合もありますが、数日使って症状が落ち着いてきたら、先生と相談して非ステロイドの薬や保湿剤に戻しましょう。

皮膚カンジダの場合

おむつかぶれに似た症状として、成人女性もなるカビによる皮膚カンジダがあります。病院で診てもらい、抗真菌薬を1~2週間つけて、皮膚のカンジダ菌を消滅させます。治った後も予防のために市販のスキンケアをこまめに行いましょう。

 

5. まとめ

多い時は、一日に10回近くうんちすることもある中、毎回丁寧に対処するのは大変ですよね。

一番効果のある対策は、一番手間のかかるものです。本当にひどい時は、手間をかけてでもしっかり洗い流してあげたいところですが、おむつかぶれの状況を見ながら、上手に手を抜いて無理のない範囲で治しましょう。

今は効果があって、便利なおむつかぶれ対策スプレーも出ているので、こうした便利グッズを活用するのもおすすめです。

    

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