赤ちゃんの肌荒れや乳児湿疹で病院に連れていくと、よくヒルドイドが処方されますよね。
このヒルドイド、赤ちゃんはもちろん、大人の肌荒れや、シミやシワにも効果があると言われているのをご存知ですか?
これだけ聞くと、とても万能なスキンケアのようですか、果たして本当に効果はあるのでしょうか?また、敏感な赤ちゃんの肌に使用するときの注意点や、副作用が無いかについて調査しました。
ヒルドイドとは
まず、ヒルドイドの主成分は「ヘパリン類似物質」というものです。ヘパリンとは、人の体にある保湿成分のことで、ヒルドイドにはこれに似せて作られた物質が入っているんです。なので、副作用も少なく安全性が高いといわれており、赤ちゃんや敏感肌の方にも処方されています。
ヒルドイドの効果・メリット
ヒルドイドに含まれているヘパリン類似物質には、3つの効果があります。
まずは保湿効果です。ヒルドイドは、皮膚表面だけではなく、基底細胞まで保湿をしてくれます。肌の奥の方まで保湿がされるので、乾燥肌を内部から治すことができるようです。これを続けることで、肌にハリがでたり、肌をやわらげる効果があるんです。
つづいては血行促進効果です。ヘパリンには血の塊を溶かす溶解作用があります。その為、血管の中に血栓ができてしまった時や、血栓予防としても使われています。血栓を溶かす作用があるということは、血が固まるのを防ぐことができる為、血行促進へと繋がります。血行が促進されると、新陳代謝があがります。すると、内部で肌の再生が促され、肌のキメを整える効果も期待できるのです。
最後は抗炎症作用です。ヒルドイドを塗ることで炎症が抑えられるとの結果がでています。ただ、この効果はヘパリンのどのような作用によって起きるものなのか、調べることができませんでした。
1本でこれらの効果を期待できるのであれば、肌荒れが起きたときにぜひ使いたいですよね。
ヒルドイドを使う時の注意点・デメリット
ただ、副作用が少ないと言われているヒルドイドにも使用するときの注意点があります。
それは、血が出ている部分や炎症が起きている部分にぬると悪化する場合があるということです。
ヒルドイドには抗炎症作用があるため、炎症が起きている部分に塗れば症状が良くなると思われがちです。しかし、ヘパリンには血管を拡張させ、血行をよくする効果があるため、炎症によってはかゆみが増し、症状が悪化してしまうのです。
ヘパリンが抑えることのできる炎症は、血管が収縮することで起きている炎症に効果があるということになります。
また、一見乾燥肌に見える部分も炎症が起きている場合があるのをご存知ですか?
実は、カサカサしている部分に、少しでも赤みがあれば、それは「乾燥」ではなく「炎症」が起きている状態です。
皮膚全体に赤みがあるのはもちろんですが、ところどころにカサブタのようなものができている部分も炎症を起こしています。さらにいってしまえば、赤みが無くても皮膚がでこぼこしていたりすると、それも皮膚の下に炎症が起きている状態なのです。
これらを全て「炎症」というくくりに入れた上でヒルドイドを使おうとしてみると、意外と使える部分は少ないのではないでしょうか?
また、ヒルドイドは古いものは1958年から日本で販売されている非常に古い薬で、もともと血行促進の効果を期待されて作られました。保湿剤としての認可を受けたのは1990年なのです。血行促進には肌の代謝を良くし、ターンオーバーを促す効果があります。しかし、一方で血行促進は毛細血管を膨張させる効果があり、その周りにはかゆみ神経が張り巡らされています。敏感肌や乾燥肌、アトピー性皮膚炎など、常に肌のどこかに炎症が起こっている場合は、血行が促進されることでかゆみが増してしまいます。
健康な肌の人には効果が期待できそうですが、赤ちゃんや肌の敏感な人には、非常に使い方の難しいクリームですよね。
ヒルドイドの副作用
ヒルドイドを使うことで、素晴らしい効果を得られることは分かりましたが、同時に副作用もあることがわかりました。
かゆみ
副作用の1つはかゆみです。これは、血行促進効果によって起きるものです。
血管のまわりにはかゆみ神経というものがあります。血行が促進されるということは、収縮していた血管が拡張されるということなので、これによって血管のまわりのかゆみ神経も刺激され、かゆみが出てしまうのです。
人によって合う、合わないはもちろんありますが、皮膚の薄いところは毛細血管が多く、かゆみが出やすいと言われています。赤ちゃんの肌は大人の肌の半分の厚さしかありません。なので、大人よりもかゆみを感じやすい可能性があります。
湿疹
2つめの副作用は湿疹です。ヒルドイドを塗って湿疹ができてしまった場合は、肌に合わない証拠なので、すぐ使用をやめましょう。また、もともと肌が湿疹や炎症を起こしている部分にヒルドイドをぬることでさらに症状が悪化することがあります。
これも、ヒルドイドの特徴である血行促進効果によるものです。
炎症は、もともとその部分の血管が拡張して血流が増加することで、赤くなったり、腫れてしまいます。
その為、基本的に炎症を抑えるためには、血流を抑える必要があるのです。そこへ、血行を促進させる効果を持つヒルドイドを塗ってしまうと、炎症が悪化してしまうので、ヒルドイドを塗るときは「湿疹や炎症を起こしていない部分」に塗りましょう。
ヒルドイドは正しく使用すれば効果を得ることができますが、敏感肌や赤ちゃんの肌には少し使い方が難しいようですね。
保湿という面では、最近では色々なベビーローションがあり、効果の高いものも販売されています。
こちらのページではおすすめのベビーローションをいくつか紹介しているので、ぜひ参考にしてみてくださいね。
▼関連記事
![]() |
乳児湿疹の原因とケア方法 |
![]() |
かゆい乾燥肌の原因とすぐできる対策方法 |
![]() |
口コミで人気の保湿剤6選 |